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Yahoo知恵袋などで、よく、「駒沢大学の文学部は難しいですか?」とか「明治大学と青山学院大学はどちらが難しいですか?」という質問を目にすることがあります。
質問の意図は人によって違うのかもしれませんが、ここで大枠について考えていることをまとめておきます。
(個別の○○大学と△△大学を比較した場合の回答にはなっていませんが)
なお、ややこしいことをあまり考えなかった場合は、基本的には偏差値的な難しさのことを聞いているのだと想定されますので、その場合は下で紹介しているようなページから、実際に各大学・学部の合格目安となる偏差値を確認して比較すると良いとは思います。
(これらは知恵袋で聞くより、実際に自分でサイトに行って調べた方が早いです)
大前提としてそもそも一概には比較できない
すべての大学学部が何らかの条件によって一列に並んでいるなら、単純に比較してどちらが難しい、ということは可能ですが実際にはそうはなっていません。
模試の偏差値はあくまでも目安です、また各大学・学部で出題の傾向も違うため、誰が受験するかによってもどちらが難しいか(合格しやすいか、という観点で見た際に)は異なります。
そもそも「難しい」という言葉自体が何を指すかもやや曖昧ですので、その意図によっても答えは異なってくると思います。
ですから、どちらが難しいか、という問に対して、それ以上具体的な情報がついていなければ、「正解」といえる回答は存在しないと思います。
それは「難しさ」の定義や、「個々人の状況」によっても変わるものです。
その前提の中で、どのようにこれを考えるのか、ということを以下、記載していきます。
あえて比べるなら、偏差値と試験科目数で難しさは比較できる
それでもあえて比較したいというのであれば、やはり一番の指標になるのは偏差値でしょう。各模試において、大学合格の目安となる偏差値を算出しています。
また、各模試を受けた際にはこれを元にした合格判定がでてきます。
例えば河合塾の模試での大学毎偏差値は
http://www.keinet.ne.jp/rank/
こちらで見られますし、Benesseも
http://manabi.benesse.ne.jp/univ/search/nanido/
こちらで偏差値を出しています。(URLの文字はまさに難易度、となっていますね)
この偏差値は当然、合格に必要な学力の目安を示していることになりますので、ある程度難しさの判定には使えるでしょう。
「難しい」を合格の難度とすれば、基本的には偏差値40の大学・学部よりも偏差値70の大学・学部の方が難しいと言えるでしょう。
ただし、偏差値を使って難しさを考える際に注意しなくてはいけない点が2点あります。
1点目は試験科目数です。基本的に模試の偏差値というのは必要な科目全ての偏差値の平均で表されます。各科目で高い偏差値を取るには当然多くの勉強をしなくてはいけないですから、科目が多くなる方が大変でしょう。
3科目の偏差値65と、5科目の偏差値65、どちらを取るのが大変かといえば、基本的には科目数の多い、5科目、ということになります。
2点目は、模試の偏差値は(あたりまえですが)模試の試験を元にしているということです。例を挙げるなら、マーク式の偏差値が良かったからといって、記述式の本番の試験でそれがそのまま通用するとは限らない、ということです。
※偏差値に関してはこちらの記事もご参考にしてください。
偏差値と受験に関する誤解と情報
問題の難しさと合格の難しさは異なる
「難しさ」という質問の際に出題される問題の難しさ(正当に必要な知識や頭の使い方)を念頭においている人もいるかもしれません。
こちらも基本的には偏差値的な難しさに関連しているかもしれませんが、必ずしも高偏差値の大学・学部の問題が難しいとは限りません。
少し極端な例ですが、それぞれ3科目の受検で、偏差値65で合格の各科目平均点が80点のところと、偏差値63で合格最低点の各科目平均が50点のところであれば、恐らく出題されている問題は後者の方が難しいでしょう。
また、例えば東大の問題と、早慶上智などの私大の問題を比べてみると、細かな知識という部分では上位難関私大の方が多くの細かい知識を必要とする場合もあります。
もちろん論述の多い東大の試験は、論述ならではの難しさもあるのですが、単純な知識という意味では私大の問題の方が難しい、ということもあるでしょう。
同じレベルと言われる大学であっても、出題傾向が違えばその回答の難しさは大きく異ることになるので注意が必要です。
その人の向き不向きで大きく異なる
ここも大きなポイントです。結局一口に試験といっても、人によって得意な入試スタイルは異なります。
知識はしっかりしているけど、応用は苦手とか、マーク式より論述式が得意であったり、その逆であったり、あるいは、なんとなくここの大学の問題は自分にあっていて解きやすい、というようなこともあると思います。
試験範囲が狭い(例えば歴史で言えば近現代史しか出ない)ということを、「範囲が狭いので簡単だ」と捉える人と、「絞られている分難しい」と捉える人はどちらも存在すると思います。
例えば私個人で言えば、細かい知識を覚えるのはあまり好きではなく、むしろ論述が好きだったので私立の問題よりも東大の問題の方が好きでしたし、解きやすいと思っていました。(とはいえさすがに東大の合格が一番難しいとは考えていましたが)
結局どちらが難しいか、というのはその人と試験内容の相性によっても変わってくることになります。したがって他の人に聞いても自分にとってどちらが難しいのかはなかなかわかりません。
偏差値的な高低は教えてくれるとは思いますが、それを知りたいだけであれば知恵袋でで聞かずGoogle検索したほうが早いです。
自分にとっての難しい大学、簡単な大学の見つけ方
では、自分にとっての難しさはどう判断するのか。
一番明確なのは実際に過去問を解いてみることです。解いてみることで、問題の内容や、自分にあっているかどうか、どれ位今の自分とギャップがあるのか、そのギャップは埋められそうか、ということを考えることができるので、そこで自分にとっての難しさを把握することができます。
他の人が「難しい」といっていても意外と自分では簡単だと感じた、というケースも有るでしょう。
あとは、自分の得意・不得意のパターンも把握しておくと、難しさを検討するのに役立ちます。
どんな問題や、出題範囲・形式が得意なのか、苦手なのか、簡単だと感じるのか、難しいと思うのか、自分の中で整理しておくことで、自分にあった入試を見つけやすくなるでしょう。
とはいえ、最終的な学校の選び方は「難しいか」「難しくないか」ではなく、そこでどんな経験ができるのか、何が得られるのかをきちんと把握したうえで、自分が本当にそれを得たいと思うかどうか、という「行きたいかどうか」で判断すべきで「難しいかどうか」「合格しやすいかどうか」という観点をあまり入れることは好ましく無いと個人的には考えています。
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