偏差値と受験に関する誤解と情報


受験といえば高校受験、大学受験に関わらず目にすることの多い「偏差値」ですが、実は時々誤解をされていたり、あまり理解をされていなかったりすることがあって気になっています。

偏差値についての正しい知識を身につけて誤解や勘違いをなくし、より良い受験対策ができるサポートができるよう、偏差値についてまとめていきます。

■偏差値とは何か

そもそも偏差値とは、何かという点から確認しておきましょう。

偏差値という単語は入試に関連した学業成績で聞くことが多いですが、元々は別に受験に特化したものではなく、統計の用語で「ある数字が全体の中で、どれ位の位置にいるのか」、というものを50を平均として表したものです。

ですから、受験生全体なり、模試を受けた人全体なりを踏まえた際に、その人が今全体の中でどれ位の位置、順位にいるのか、というのを示すのが偏差値です。
(具体的な分布は後ほどご紹介します)

あくまで相対的な数字ですので、他の人の成績が良ければ下がり、他の人の成績が悪ければ上がる、ということになります。具体的に模試で何点をとったら偏差値がいくつ、と決まるわけではなく、全体の平均点がこのくらいで、得点はこのように分布しているから、この点をとった人の偏差値はいくつ、というように決まっていくものです。

全体の中での相対的な順位を示すものである、という点を押さえておきましょう。

なお、偏差値の最小値、最大値については、25~75とか0~100とか言われていますが、実際には特に範囲は決まっておらず、その時の全体の状況によって変わります

めったにないこと(というか実際に聞いたことはない)ですが偏差値が0を下回ってマイナスになることや、100を飛び越えて更に大きい数字になることも理論上はありえます

■偏差値の分布(偏差値と全体の順位)

では、どのくらいの成績だといくつくらいの偏差値になるのでしょうか。

以下に、偏差値とそれに対応する、全体の中での大枠の順位について表にして記載します。

偏差値75を超えるのは全体の約0.6%程度。1,000人いたら6人位です。

同じく偏差値70を超えるのは上位2%強、逆に30を切ってしまう人もやはり下位2%強存在するというのが分布状況です。

偏差値 上位何%か
75 0.6%
70 2.2%
65 6.6%
60 15.8%
55 30.8%
50 50.0%
45 69.2%
40 84.2%
35 93.4%
30 97.8%
25 99.4%

■高校受験と大学受験の偏差値の違い

偏差値について注意しなくてはいけないこと(かつ誤解されていること)の1つが、高校受験の時と大学受験の時の偏差値の違いです。それぞれの数字はかなりことなり、大学受験における偏差値で高い値を出すことのほうがかなり難しくなります。

高い偏差値の獲得難度が

大学受験の偏差値 > 高校受験の偏差値

となるのは非常にシンプルな話で、大学受験の方が学力で見た際の全体のレベルが高いからです。集団の平均が上がれば、当然偏差値のハードルも上がることになります。

現在の大学進学率は文科省の学校基本調査によると50%強という状況です。そしてこの人達は高校入試での偏差値が比較的上位の学校に行っている場合が多いです。

つまり、おおまかな言い方をすれば、高校受験の時に偏差値上位だった5割~6割の人を全体として大学受験の偏差値は決められることになります。

元々高校受験のときは偏差値55~60位だった人たちが平均の50あたりの偏差値に来ます。そして、元々高校受験の際に偏差値50位のレベルだった人たちはそのままの実力では偏差値40付近から、悪ければそこを切ってしまいかねない状態になります。

高校受験の際の偏差値と同じ偏差値の大学を受験しようとすると、しっかり努力をして集団の中での相対的な順位を上げていかないといけないのだ、とういことには注意してください。

極端な話をすれば、東大合格者だけが受ける模試があった場合、その中には(全員が東大合格者であっても)偏差値30の人とかもいるわけです。

■模試による偏差値の違い

上に書いた高校と大学の偏差値の違いと同じように、模試によっても偏差値が違ってくることに注意が必要です。

もちろん模試の出題形式による違い(マークと記述等)ということもありますが、それ以上に大きいのは模試を受けている人たちがどのような人たちか、ということです。

比較的間口の広い、多くの人が受ける模試については、全体的にレベルがそこまで上がらないので、偏差値が高く出やすい傾向にあります。

逆に、厳選された、かなり対策をしている人たちばかりがうける模試は全体のレベルが上がりますので、偏差値も高いものが出づらくなります。

よく大学受験の場合だと、河合塾や駿台、代ゼミの模試と、進研模試を比較すると、前者の方がだいぶ合格目安の偏差値が低いのですが、これも同じ現象です。
また、浪人生が参加しているかどうか、なども高3、浪人生向けの模試においては違いになって着やすいです。

同じ偏差値65といっても、受けている模試によってその数字が示す実力は大きく異なる点に注意してください。

これは高校受験についても同様で、多くの学生が受ける模試は偏差値が出やすい一方、進学系の塾だけでやっているテストの偏差値はなかなか高得点が出づらいです。

同じ偏差値でも全体像によってものさしとしてどれ位有効活用できるかが異なりますので、この点には十分に注意しましょう。

■浪人生と偏差値

浪人生は自分の偏差値について注意が必要です。

浪人生は浪人として模試を受け始めた当初(夏頃まで)は特に高い偏差値が出やすいです。理屈は簡単で、それまでの模試を一緒に受けていた人たちの中の上位の人達を中心に大学に入学することで、強いライバルが減り、逆にこれから受験勉強に本格的に取り組む新高校3年生が入ってくるからです。

相対的に全体のレベルが下がることで、自分の位置は同じでも以前よりも高い偏差値がでることでしょう。

ただし、ここで油断せずにしっかりと学習を継続することが重要です。

そもそも模試の偏差値は下に書くようにあくまで目安でしかなく、大事なのはその学校・学部の問題でどれ位点を取れるか、という話ですし、もう一つ注意しなくてはいけないのは、自分が勉強を進めて成績が伸びたとしても、模試の偏差値そのものは下がる可能性があるからです。

ここまでに繰り返し書いているように、偏差値というのはあくまで全体の中での相対的な位置づけを示すものです。

例えば浪人生Aさんは、3科目のとあるテストを受けて、以前は150点、今回は180点だったとします。成績はしっかり伸びています、勉強の成果が出ていると言えるでしょう。ただし、Aさん以外の人たちの平均点が以前は140点だったのに、今回は全体のレベルが上がっていて平均が180点になったとします。

そうすると以前は平均以上ということで、50よりも高い偏差値であったAさんは、今度はほぼ50程度の偏差値に落ちてしまうということになります。

浪人生の方はこの仕組を理解したうえでしっかりと気を引きしめて受験勉強に挑んでいってください。

■偏差値はあくまで目安の数字

そしてもう一つ注意しなくてはいけない点があります。これはサイト内でも何度か書いているものなのですが、模試の結果としての偏差値はあくまで模試として目安になる程度で、本番の合格可能性とは少し離れた数字だという点です。あくまで一般的な問題を解いた際の偏差値ということがほとんどですが(東大模試等特化型の物を解いた場合は違いますが)実際には受験する大学や学部によってポイントが異なります。最終的にはそこの本番で当日何点取れるかが勝負ですので、繰り返し書いているように、過去問を解いて研究をしながら対策を考えていくことにしましょう。

例えば

出題形式の違い(マーク式と記述式、論述があるか、英作文やリスニングがあるかどうか、等)
難易度の違い(基礎知識を使うものか、応用中心か)
出題範囲の違い(例えば慶應の経済の歴史は近現代中心なので、原始時代や四大文明等の部分で高い点を取って高偏差値でも合否にはあまり影響しない)

等が重なってくると、実際の合格確率と偏差値がずれてしまうこともありますので注意してください。

偏差値の意味合いを正しく捉えて、あくまで目安として活用することがお薦めです。

 

■偏差値の活用方法

とはいえ、偏差値はやはり便利です。多くの受験生が受ける模試などの中で、相対的に自分の順位を確認できるのは非常に有効です。

定期的に模試を受けながら、自分の今の状況を知ったり、勉強の進捗が順調か、きちんと取り組んだことの成果が出ているのか、という点を判断する上では重要です。

また、自分が志望校に対してどれ位の位置にいるのか、という点は正確でないながらも参考にはなります。

また、模試の効果として見逃せないのが、本番の入試の練習という側面です。時間が決まっている中でここまで幅広の問題を解く機会はありそうでなかなかありません。

また、他の受験生がいる中で、緊張した空気感になることもおおいと思います。そんな場を経験しておけば実際の本番に向けての心の準備・鍛錬にもなります。

やはり定期的に模試を受けて偏差値を把握しておくことは重要です。

■偏差値は入試の難易度を表しているのか

少し補足的になりますが一応記載しておきます。
偏差値の高い大学=入りづらい、入るのが難しい大学なのかどうか
という点です。

これについては同じ条件であれば、概ねその通りである、といえるのですが「同じ条件」というのは結構厄介です。

前述したようにそもそも受験の問題のタイプが違う、というのが一つですし、また科目数の違いもあります。

5科目の試験が必要で、偏差値58が目安の大学と3科目受験で偏差値60の大学だったらどちらの入学が難しいのか、なかなか判断することは難しいと思います。

また勉強している人たちが受ければ受けるほど平均が上がるという所から、例えば世界史の偏差値65と、倫理の偏差値65とは同じレベルなのか、と言われるとやや自信が無い気もします。

以上のように、難易度の表記としては多少課題のある偏差値ですが、今でも利用されていますし、有効な使い方も多くあると思いますので、ぜひ意識してみてください。

とはいえ、偏差値に振り回されてそこで一喜一憂するようなことが無いようには気をつけてください。合格発表日の喜びを目指して頑張っていきましょう。


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投稿者: ga_ro_ri

がろりです。 サイトにお越しいただきありがとうございます。読んでいただいて嬉しいです。 公立中学から、都立高校を経て独学で東大文一に現役合格。 みなさんと生まれたばかりの娘のよりよい人生のために有効な勉強法を広めたいと思っています。

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